チバイチ！自転車で千葉一周。シングルスピードで514kmの旅

１周するとチーバくんができます

一時期SNS界隈で流行った自転車千葉一周、通称「チバイチ」に挑戦してきました。
それも変速機能がないシングルスピードバイクでの挑戦です。

千葉一周＝東京大阪間と同じ約500km

チバイチの概要ですが、距離は約500kmと東京から大阪と同じくらい。獲得標高は1500m以下とギアを選べないシングルスピードにも優しい（？）コースです。

実はかねてより東京から実家のある青森まで自走で帰る無謀な計画を立てていました。東京青森間は約650kmなので長距離の走行練習は必須。そこでチバイチです。距離は少し足りませんがどちらも日を跨ぐのでノウハウも同じはずです。それに千葉なら鉄道へのアクセスも良いため万が一のエスケープもしやすいです。こんな良いルートに今まで気がつかなかったなんて！

間違いなく人生最長距離になるチバイチ。達成すれば自転車乗りとして、さらに言えばシングルスピード乗りとして１歩成長できるのは間違いないはず。長すぎて全く距離感覚が掴めないけど。分かるのは「千葉を一周すると500kmある」それだけ。

ロングライド、ルートを作ってる時が一番楽しい説

行くと決めたらガーミンコネクトを使ってルートを引きます。
マップを拡大したり衛星写真にして走りやすい道なのか見極めます。必要ならストリートビューで路肩の幅や走ってる車の種類も見ます。道幅が狭くても交通量が少なそうであれば候補となるし、幹線道路はよく整備されているけど交通量が多すぎて危険なので避ける、近くに河川があれば土手の上を走れないかチェックする、、、最近はヒートマップのおかげで自転車に適したルートが分かるので大分楽になりました。ツーリングマップルをボロボロにして旅してた時から時代は変わりましたね。
そうやってじっくりと時間をかけて安全で快適で高低差の少ないルートを作っていきます。個人的にルートを引く作業ってすごく楽しいので時間がかかっちゃいます。
納得したルートで走りたいですからね。だから早め早めの計画が大事。

ルートが完成したら立ち寄るポイントを決めていきます。
１周企画なので東西南北の先端に立ち寄るのはマストとして、それ以外にも休憩ポイントをリストアップしました。休憩が多いと時間がかかりますがなにせ長旅、疲れる前に休むのが大事。ポイントを決めたら距離情報や予想到達時間と一緒にスプレッドシートにまとめて簡単なキューシートを作りました。

それがこちら。

CP	GO	Od	マイルストーン	残り	到着
1	41	41	関宿城	473	3:41
2	26	67	ファミマ野田瀬戸店	447	5:8
3	46	113	道の駅こうざき	401	7:41
4	59	172	犬吠埼灯台	342	10:58
5	49	221	海の駅九十九里 青ポスト	293	13:41
6	49	270	勝浦駅	244	16:25
7	60	330	野島崎灯台	184	19:45
8	18	348	州埼灯台	166	20:45
9	36	384	金谷港	130	22:45
10	26	410	富津岬	104	0:11
11	55	465	千葉みなと	49	3:15
12	28	493	ディズニー	21	4:48
13	21	514	葛飾橋	0	5:58

CP：チェックポイントNo
GO：ポイント間の距離（km）
Od：累計走行距離（km）
マイルストーン：ポイント名
残り：残り距離（km）
到着：予想到着時刻（平均時速18km/hで計算）

ポイント間の最長距離はギリギリ走り続けられそうな60km（約3時間）。実際はかなり長く感じたのでもう少し刻んでも良かったと思います。

ルートが決まったらいつ実行するかです。
この時は11月中旬でいよいよ寒くなってくる時期。それなら兎にも角にも早いうちが良さそうということで家族の承認をもらって11/14土曜の深夜１時頃にスタートすることに。
天気予報は晴れ、気温は朝方の寒いところで3〜4℃、昼間は20℃近くまで上昇。風は夜間は弱い北風で昼間は少し強くなるようです。サイクリストとして風が気になりますが、向い風となる時間帯は夜間となり風が弱くなる見込み。むしろ昼間の強い北風を背負って少し楽に走れそうです。
その他諸々準備も完了し、金曜は仕事を爆速で片付けて定時で帰宅。夕食のあとは3時間程度仮眠をとりました。

仮眠から起床したら大盛りパスタを食べて身体中にカイロを貼っていざ出発。まずは自宅からスタート地点の葛飾橋まで荒川CRを経由して走ります。

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チバイチ、スタート

1:25　0km/514km　葛飾橋

葛飾橋からチバイチスタート！

SNSでスタート宣言をして江戸川左岸を北上。予報通り弱い向かい風だったけど疲労ゼロなので問題なし。土手の上から野田方面を見るとポツポツと民家の明かりが見えるくらいで他は真っ暗。この時間なので土手に人はいないけど、以前茂みからタヌキが飛び出してきて以来どうしても警戒してしまいます。
幸いタヌキアタックには出会わず利根川までの40kmを淡々と走れました。止まったのは車道を渡る時の信号待ちくらいでアベレージも25km/h程度となかなか良いスタートが切れました。

3:16　41km/514km　関宿城

関宿城をライトアップ

千葉県最北端の関宿城に到着。城に近づきたいのだけど初めてなうえに真っ暗なので道がわからない。適当に歩いてやっと着いたと思ったら城の裏手だった。とりあえず外したフロントライトで城をライトアップして写真を撮ってSNSへ。Qシートを確認して補給のスナックを食べながら利根川へ入る。よしよし、順調だぞ。

4:24　67km/514km　ファミリーマート野田瀬戸店

最初のコンビニストップ

関宿城を折り返したら銚子へ向けて120km続く利根川CRを走ります。部分的に一般道に出ますが川沿いを進んでいれば銚子に着くと思えば気楽なもんで。67km地点で最初のコンビニストップ。暗闇で煌々と明かりを放つファミリーマート野田瀬戸店はまさに陸の灯台。吸い込まれるように店に入ってトイレ＆おにぎりで補給。コロナ対策でイートインが使えないのは仕方無いにしても、寒い屋外に突っ立って食べるのは正直辛い。早々におにぎりを口に押し込んでペダルを回します。

しばらく走ると待望の朝日。

夜明けのトワイライトタイム

僕は夜明けのトワイライトタイムが死ぬほど好きなんです。東側から徐々に青みがかって、その後絶妙なタイミングで太陽のオレンジが登ってくる。その美しいグラデーションは、夜通し走って下りに下がったモチベーションを一気に回復させてくれます。特に寒い冬の季節は、太陽を見ると感謝の言葉しか浮かんでこない。太陽暖かい！太陽ありがとう！

幻想的な夜明け

この日は霧が地面近くに溜まり幻想的な景色が広がりました。未開の地で時間が経つにつれて徐々にディテールが浮かび上がってくるシチュエーション、、、良いじゃないですか、こんな雰囲気のある朝に巡り会えて今日の俺はツイてる。何はともあれ、１回目の夜を無事乗り越えることができました。

6:40　113km/514km 道の駅こうざき

道の駅こうざき

陽が昇り少しだけ暖かく感じてきました。ようやく寒さから解放されてホッとしたけど、ガーミンの累積距離が冷静に現実を突きつけてきます。100kmも走ったのにまだ全行程の1/5だと？

（…もしかして千葉って超でかいのでは？）

道の駅こうざきで休憩する予定でしたが、急に道路の横断が面倒になったので補給食だけ食べてパスすることに。どうせこの時間なら売店も閉まっているだろう。地のものを食べるのもロングライドの楽しみですが銚子以降の楽しみにとっておこう。休憩ならこの先にあるもう１つの道の駅でいいや、とりあえずそこまで行くことにしました。

7:21　126km/514km　道の駅　水の郷さわら

水の郷さわらにある船

サイクリングロードには散歩やジョギングをする人が増えてきました。夜中しっかり寝た人たちと思うとすっごく羨ましい。こちらも仮眠が効いたのかまだ眠気に襲われずにすんでいます。だんだん暖かくなってきたのでジャケット、イヤーカバー、ネックウォーマー、グローブをサドルバッグヘ。シューズカバーは収納スペースが残ってなかったので履いたままです。
水の郷さわらは、利根川CRの中にあって自転車でのアクセスがしやすいうえに、水辺に椅子やテーブルが置かれていて休憩するには最高の場所でした。家族でドライブ途中に立ち寄るのも良さそう。

カルガモがたくさん！

あとびっくりしたのがカルガモの数。写真のこれ全部カルガモ。こんな状況が数百メートル続くんです。
あと当たり前だけど明るいと景色が楽しめるね。
もう少し走ればいよいよ銚子です。

決定版 日本のカモ識別図鑑: 日本産カモの全羽衣をイラストと写真で詳述

9:41　172km/514km　銚子、犬吠埼灯台

利根川を離れて銚子へ近づくと、今までとは違う北東からの強い風を感じて海が近いことが分かりました。景色も土手のサイクリコースから港町に変わっていました。漁港には仕事を終えたのか強風で漁に出られなかったのかたくさんの船が浮かぶ中、釣り人が強風に耐えながらじっと海面を見ています。市場は出荷が終わってひと段落といった雰囲気。風さえ穏やかならゆっくり休憩したいところだけど結構な風です。犬吠埼から南下を始めればこの風は味方になる。そう考えると早く進路を変えなければ勿体無いと急いで犬吠埼を目指しました。

途中、信号待ちをしていたらマグロがドナドナされていた。
マグロってこんな扱われ方なんだ…

ドナドナされるマグロ

一本買い!! 本マグロ解体パズル

犬吠埼

犬吠埼

千葉県の最東端、初めての犬吠埼、断崖絶壁に波ザッバーン。灯台も含めて周りのロケーションが良いですね。お土産屋にはどこかで見たことのある「まずい棒」が売っていました。買って帰ったら子供達が喜びそうだけど、サドルバッグはすでにいっぱいだし背中のポケットに入れたら粉々だな。また家族で来よう。

犬吠埼をあとにドーバーラインと呼ばれる海岸線沿いの道を進みます。序盤数キロはなかなかのアップダウンが続くのでシングルスピードにとっては難所です。貴重な脚を削られないようにダンシングで体重を乗せて乗り越えます。少しだけ疲労感を感じ始めていたけど、予習していた難所をクリアすることで確実に前進している実感も湧きます。

12:18　221km/514km　海の駅九十九里 青いポスト

道の駅九十九里にある青いポスト

お昼時の道の駅はこんなご時世でも賑わっていました。このあたりはイワシが特産で一度釣りに行きたいと思っていました。でもこんな形で訪れることになるとは思ってなかったよw　今回は極端に遠回りをしたけど、自宅から直線的に走れば約90kmの距離。暖かい季節なら釣り道具を積んで遊びに来たいな。

14:40　270km/514km　勝浦

ついに半分を過ぎました。勝浦に着いたのはランチタイムが終わりそうな時間で、そろそろ夜に備えてガッツリ食べておきたいところ。ここはチェーン店ではなく、その土地にしか無い地元民に愛される店がベストです。僕は仕事中でも自転車でも飯屋を探す時の脳内BGMは孤独のグルメです。

店を探そう。

さてさて、勝浦で飯を食べると言っても、人生最長距離を走るのに勝浦タンタン麺を食べるほど僕は馬鹿じゃないぞ。アレめっちゃ辛いの知ってんだから。先はまだまだ長いからリスクは最小限にしないと。
タンタン麺を封じられた勝浦には何が残っているのか？ 案の定、魚市場にハンバーグ定食を出す飯屋があるように、タンタン麺の勝浦にも普通の定食屋がちゃんとあった。よしよし、こう言うのが良いんだよ。 

勝浦にある大衆食堂

店に入ると常連ぽい若者二人がナポリタンとミックスフライみたいな定食を食べています。間違いない、何でもうまい店だ。
さて、何を食べようかな。
午後になって少し冷えてきたのでまずは味噌ラーメンを主役に据えます。
脇役は定番の半チャーハンか、いや待てそれじゃまるで普通すぎやしないだろうか？ やっぱり味噌ラーメンをタンタン麺に変えるのはどうか？ いや駄目だ、このランチタイムの終盤にタンタン麺なんて、観光で来たのに出遅れて有名店に入れなかったが、何とかタンタン麺を食べて帰りたい間抜けそのものだ。。。

完全に詰んだと思ったがメニューの中にミニ麻婆丼が光を放っていました。コレだ。ミニ麻婆丼にはチャーハンやタンタン麺の様なネガティブな文脈が無い。今、勝浦で真の脇役にふさわしい中立なポジションを確立しています。それに、やっぱり勝浦まで来たのだから少し辛い物も食べてみたいというセコいニーズにも刺ささってます。

数分後、どう見てもミニじゃない麻婆丼が運ばれてきて困惑する俺。

味噌ラーメンとミニ？麻婆丼

勝浦ではミニの解釈が違うのかもしれない。店のおばちゃん、普通の麻婆丼と間違えたんだろね。いいよいいよ、これも話のネタになるだろうと黙って食べました。
いやー若者がいる時点で量が多いと気付けたはずなのにやらかしました。それに山椒の痺れる辛さがこれでもかと舌を攻撃してきます。コレ絶対ロングライドで食べてはいけないヤツや。
まぁでも、辛さはともかく量の多さはポジティブに受け止めるべきだよな。ロングライドにおいてカロリーは絶対的な正義です。それに、この後はおそらく最後までコンビニの大量生産品しか食べられない、つまりこの食事こそ言わば最後の晩餐なのです。

ちょっと多かったけど美味しく完食してお勘定。
会計はちゃんとミニだった。（ミニとはいったい、、、？）

店を出たら鴨川を目指します。海沿いにあるのどかな漁港では釣人が糸を垂らして楽しそう。今や空前の釣りブームだと言われます。釣りが楽しいのは僕もよく分かりますが、都心にある公園には家族連れが大挙しマナーが問題になっていたり。前年の台風で釣り公園の閉鎖が相次いだのも理由かもしれないけど、元々釣りは漁港の余白を借りてやるものなんだと思う。メーカーやYouTuberが煽っちゃうと、結果として人気の場所から釣り禁止になっていくんですよね。楽しいんだけどね、釣り。難しい。

そろそろ日が暮れそうです。そんな中、鴨川シーワールドの近く、ホテル三日月の辺りで嫁からLINEが届きました。

「何時に帰ってくるの？」

……

しまった、帰宅時間伝えてなかった。。。 

「えーっと、、、明日の朝かな。」

怒りを表すスタンプが送られてくる。それに対する圧倒的平謝り。
SNSにワンオペ家事と皮肉を書かれても何も言えん。ぴえん。
普段なら速攻戻ります！的なことも言えますがここは南房。ただただ走るしかありません。

気を取り直して最南端を目指します。
夕日が綺麗だな（嫁の顔を重ねながら）

きれいな夕日もロングライドの醍醐味

昼間はあんなに暖かかったのに、陽が落ちると急激に冷え込むのが11月。マジで気をつけた方が良いよ、夜走るなら真冬装備をもってこないと後悔するはず。背中、首、へそ周りに新品のカイロを貼り直してジャケットやウォーマーを着込みます。

2度目の夜がやってきます。
ここからはナイトライドなんて呑気なことは言ってられません。
眠気と寒さとの戦いです。

最南端の野島崎灯台へ向かう道は外灯が無い場所も。人間ってやっぱり暗いと怖いんですね。初めて来た場所なのに、手に入る情報といったらライトに照らされた前方数メートル分しかないんですから。風なのか動物なのか、道路脇の茂みから時折ガサガサと音がする度に少しだけ道のセンターに逃げてました。因みにフロントライトはvolt400とnavi800の組み合わせ。都心部だとvolt400だけでも十分なんですが、照射範囲が狭かったのでAmazonで安かったnavi800を追加しました。正直navi800がなかったらギブアップでした。
しばらくして暗闇の中に灯台の光が見えてくると言葉にできない安堵感に包まれました。

maogotoh.hatenablog.com

18:50　330km/514km　野島崎灯台

野島崎灯台

房総半島の最南端。あたりは土曜の夜だというのに信じられないくらい静かで、もはや灯台の町という雰囲気。最南端と言え寒いのには変わらないので、トイレに言って足早に出発。

次の最西端まではここから18km。真っ暗で終わりの見えない房総フラワーラインでは、たまに民泊らしき家からBBQの匂いがしました。あぁ、まだ夕飯食べてる時間かい、あまりに周りが静かなので皆んな寝静まった深夜だと思い込んでました。夜はまだ始まったばかり。
なんとなく進路が北向きになったかなと言う所で最西端の州埼灯台に到着。近くまで行く元気なんてとっくに無くなっていて遠くから写真だけ。

19:50　348km/514km　州埼灯台

州埼灯台

このあと館山、金谷と走っているとついに眠気が襲ってきました。ただでさえ疲労が溜まっているのに眠気を処理するほどの余裕はありません。そのうち、、、そのうちいつか眠気が覚めるはずだと根拠のない予想を頭に浮かべながらとにかく走ります。どのくらい余裕が無かったかと言うと、舞浜手前まで100kmは写真が無いっていうレベルです。
金谷港、富津岬、千葉みなとが休憩ポイントだったはずでしたがほとんど記憶が残っていません。
かろうじて憶えてる範囲で書き出しています。

金谷港を越えてからは仮眠をとることばかり考えていました。富津岬を目指している道の途中にふと佐貫町駅の明かりを見つけて、ここしか無い！と駅舎のベンチで少し目を閉じました。少しして電車が到着するとバタバタと乗客が降りて行く音がしてまた静かに。眠いはずなのにどうにも意識が落ちずにここでの仮眠は諦めて富津岬を目指します。
ただただ暗い道を進みます。この眠気が覚める程じゃなくていいから、少しでもテンションが上がる刺激が欲しいのに本当に何もない。ガーミンの画面もすっかり見飽きたし立ち止まってSNSを覗く気力もない。ナイトライドには慣れているつもりだったけど、都心の隅々までライトアップされた道とは全く逆の世界です。
しばらくして、ずーっと向こうまで続く直線を無心で走っていたら突然ガクンとハンドルが傾き目が覚めました。

いつの間にか走りながら寝てた、、、

幸い落車はしなかったけど全く気がつかずに意識が落ちていたのが怖すぎる、、、

少しだけ目が覚めましたが仮眠をとる必要がありそうです。

0:19　410km/514km　富津岬

道路脇のガサゴソ音に肩をすくめながら富津岬へ到着。すっかりペースは鈍化したけど400kmを越えると希望が見えてきます。浜辺には夜釣りの団体がいてタコがどうのこうのとか楽しそう。大丈夫、まだ釣りが楽しそうと思えるくらいの余裕はある。

木更津まで来ると景色はすっかり都会。時間が間に合えば有名な家系ラーメンで腹ごしらえと思っていたけど次回の楽しみに取っておこう。
袖ヶ浦あたりで再びきつい眠気が襲ってきて、遂にコンビニのトイレで５分だけ寝ました。
当然だけど眠気が完全に覚めることはなく、希望を託したメガシャキもいまいち効きません。
そこで、意識を保つために夜中寝られる場所ベストテンを探すことに。屋根のあるバス停を見つけて試してみるも、風は凌げるけど埃っぽいし車の音で落ち着かない。ダメ。あ、入ってはいないけどコインランドリーが良さそうでした。24時間開いているし暖かくて最高に良い匂いがします。ただ一度入ったら間違いなく朝まで出てこれないな、、、
緊急時どこかで眠るならコンビニがベストなのか、いや普通に迷惑だよな。

さぁ、いよいよガチで眠くて仕方ないです。最終手段で何か食べることにしました。常に食べ続けて脳に刺激を与える作戦。コンビニで100粒入りの硬いグミを買って、開封してステムポーチに突っ込みます。一度に２〜３個口に入れて噛み続ける。
なかなか悪くない作戦だったけどガムでよかったのでは？と今更思ってます。

補給もコンビニ飯に飽き飽きしてきました。普段は食べない様なちょっとリッチなお菓子とかも良いけど、やっぱり暖かくてガッツリ腹にたまるものが食べたい。眠気に耐えながら食欲を満たす店を探すなんて相当ハードな孤独のグルメ、良いじゃないか、、、いや良くない。
こんな時間に開いている店といっても牛丼チェーンは嫌だし、できれば家系ラーメンを食べたい。もう完全に家系の口です。食べずに帰れるかってほど。

千葉市の繁華街に４時まで開いている店があるとグーグルマップが教えてくれたので行ってみました。もはや最後の希望。確かに店はあったけど、飲屋街のど真ん中で自転車を止めるには心配すぎるので泣く泣く見送りました。

幕張あたりでようやく夜が明けました。長かった、、、人生で一番長い夜だったかも。市川塩浜駅で朝ごはん。シーフードヌードルの美味さが半端ない。

6:53　493km/514km　ディズニー

ディズニー

ここからは江戸川沿いを北上すればもうすぐゴール。もはや20km/hも出せない程に疲れているので、朝日に暖めてもらいながらゆっくり走りました。散歩してる人、ジョグしてる人、みんなスッキリ良く寝た顔をしてる。僕も寝たい。とにかく寝たい。

陽が上ると北風が強くなってきました。そういえばTTバーが付いていたと思い出して、エアロポジションをとろうにもフラフラするだけなのでやめた。向かい風は嫌いだけど自然とペダリングに力が入って眠気を気にしなくて済みます。

もう数キロでゴールだと分かりガーミンを見ながら残りの距離をカウントダウン。1kmが果てしなく遠い。そしてやっと、本当にやっとの思いでスタートした葛飾橋まで戻ってきました。終わった、、、長かった。

8:9　514km/514km　 葛飾橋 ゴール

やっとゴール！

帰宅後はまず嫁に謝って走行ログのチーバくんを自慢しました。

チバイチを終えて

その時は二度とやらないと思っていたけど、こういうのって絶対また走りたくなるのよね。次は暖かい時がいいな。そもそも千葉ってほとんど走ったことが無かったけど、南房の港町はまた行ってみたいと思えた。ライトタックルで釣りしながら巡るのも楽しそう。家族でドライブでもいいや。

そして１回で514kmという人生最長距離の超ロングライドは想像以上に辛かった。どこにでもコンビニがあるので補給には困らないけど、眠気と寒さはどうしようもなかった。体力が消耗すると体が温まるほどペダルを踏めないんですね。ただ、シングルスピードなので調子に乗って踏み過ぎるということがなく、いい感じに体力を温存できました。そういう身体を張って得た知見は東京→青森に役立つはず。

自転車ってほんとに楽しいですね。